518 カワカマスの煮込み
(翻訳)ペッレグリーノ・アルトゥージ『調理の知識とおいしく食べる方法』(518)
518 カワカマスの煮込み
カワカマスは当地の淡水では一般的な魚で、いくつかの特徴で際立っている。食欲が旺盛だが、魚だけを食べるため、その身は味がずいぶんと淡白になる。だが小骨が多いために、かならず重さが六〇〇から七〇〇グラムのものを見つけなければならない。さらに水が流れるところに住んでいるものが好ましく、これは背が緑がかっていて、腹が白銀なことで見分けられる。他方、よどんだ水にいるものは皮がくすんでいることでわかる。カワカマスは重さが一〇、一五、さらには三〇キロまでのものがおり、かなり長く生きているものもおり、二〇〇歳をこえるものもいると信じられている。雌の卵と雄の乳白色をした精巣は食べてはいけない。下痢を起こす作用が強いからだ。
だいたい上記の重さのカワカマスを料理するならば、鱗を落として、内臓を抜いて、頭と尾を切り落とし、四つか五つに切り分ける。これで切れと同数の人に十分だろう。それぞれの切り身に塩漬けした豚の背の脂身の小片二個を塩と胡椒をしてから長いほうに沿って差し込む。それから大きなクルミほどのタマネギ、小さなニンニクひとかけら、セロリの茎一本、ニンジンの小片一個、パセリ少量で適量のみじん切りをつくる。すべて細かく刻むが、それは裏ごしする必要がないからだ。それを油と火にかけ、色がついたら、トマトソースか水で溶いたピューレを加え、調味料に塩とコショウを入れる。それからこの煮汁にバターの小さなかけらを小麦粉に練りこんだものを入れて十分に濃厚なものにしてよく混ぜ、魚を置き、ひっくり返しながら弱火で煮る。最後にマルサーラをスプーン一杯か、それがなければワインをほんの少し入れ、さらに少し煮たら、できたソースに入れたまま食卓に出す。
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