675 ズッパ・イングレーゼ
(翻訳)ペッレグリーノ・アルトゥージ『調理の知識とおいしく食べる方法』(677)
675 ズッパ・イングレーゼ
トスカーナでは、気候のせいと胃袋が習慣づけられているのであらゆる食べものが特徴として軽くて、可能であれば液状をしているので、クリームはどろどろにつくって、デンプンや小麦粉を使わず、コーヒーカップに入れて提供するのが習慣になっている。このようにつくることで、たしかにより上品にはなるのだが、型に入れたズッパ・イングレーゼには使えず、美しくもない。
さてパスティッチェーラ・クリームの分量だ。料理人からは小麦粉を使わないものと区別するためにこのように呼ばれている。
牛乳 五デシリットル
砂糖 八五グラム
小麦粉、粉のデンプンであればなおよい 四〇グラム
卵の黄身 四個
バニラ香料
最初に砂糖を卵の黄身と混ぜ、小麦粉を加え、最後に牛乳を少しずつ加える。それを強火にかけてよいが、お玉でかき混ぜ続ける。だが湯気が立っているのが見えたら、炭に灰をスコップ一杯かけるか、シチュー鍋をレンジの角に寄せる。そうしないと、だまができてしまう。煮詰まっても火に八から一〇分かけ続けて、それから冷やす。
縦に溝のある型を用意して、冷たいバターをよく塗って、次の方法で中身を入れる。アプリコット、モモ、コトーニャ・リンゴのような良質な果物のジャムがあれば、それを最初に型の底に入れる。それから、クリームの層をつくり、白のロゾリオを浸したサヴォイアルドの層をつくる。たとえば、溝が一八あるならば、サヴォイアルド九本をアルケルメスに浸し、九本を白のロゾリオに浸して、交互にそれで空間を埋める。さらにクリームを入れ、その上にロゾリオに浸したサヴォイアルドを重ね、型が一杯になるまでこの作業を繰り返す。
サヴォイアルドはロゾリオに浸しすぎないようにして、あとで外に染み出さないようにする。このリキュールが甘すぎるようであれば、ラムかコニャックで調整する。時間がたって果物のジャム(これはなくてもつくれる)がかたくなったら、水スプーン数杯と火にかけて柔らかくするが、型には冷えてから入れる。
この分量で七人か八人に十分だ。
夏には氷の中に入れておいて、型から出すときには型をお湯にほんの少しだけ漬けてバターを溶かす。
サヴォイアルドは一二〇から一三〇グラムあれば十分だろう。
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