118 ひだらのモンブラン
(翻訳)ペッレグリーノ・アルトゥージ『調理の知識とおいしく食べる方法』(127)
118 ひだらのモンブラン
料理の名前はなんとも奇妙だ! なぜモンブランで黄色い山ではないのか。料理が完成したときの色はそう見えるのに。フランス人はなぜゆえにこれほど大胆な暗喩で自身を美化して、ブランダード・ドゥ・モリュに相当する語を歪曲しようとするのだろうか。ブランダードというのはフランス人によれば、ブランディール、つまり剣、ハルバード、槍といった武器を動かす、振る、振り回すという語に由来するが、ここではなにを振る舞わすというのだろうか? かわいそうな木のお玉だ。フランス人があらゆることに技巧を凝らすというのは否定できない。いずれにしても、この料理には読者諸氏が注目する価値がある。ひだらはこのように手を加えると、もともとのやぼったさがなくなって繊細になり、主菜もしくは途中の料理として、上品な食卓に載せられるものになるからだ。
太ったひだらを水につけてやわらかくしたもの 五〇〇グラム
最高級の油 二〇〇グラム
生クリームもしくは上質の牛乳 一デシリットル
この分量から背骨、小骨、皮、糸のようなすじを除いてきれいにすると三四〇グラムほどになる。
こうした下準備をしてから、すり鉢ですりつぶし、シチュー鍋に生クリームといっしょに入れて、あまり強くしすぎない火の上に移し、かき回し続ける。生クリームもしくは牛乳が吸収されたら、マヨネーズをつくるときのように油を少しずつ入れ、例の札付きの武器、つまりお玉でよく混ぜ、きめが細かくなめらかになるようにする。十分に火が通ったら火からおろし、冷製にして提供するが、とても薄く切った生のトリュフを添えるか、揚げたパンのクロスティーニもしくはキャビアのクロスティーニと一緒にする。うまくつくれていれば、皿に載せてからあらためて油をかける必要はない。
この分量で八人分に十分だろう。
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