270 ノガモもしくは野生のアヒル その一

(翻訳)ペッレグリーノ・アルトゥージ『調理の知識とおいしく食べる方法』(282)


270 ノガモもしくは野生のアヒル その一

 市場でノガモ(アナス・ボスカス)を買ったときには、くちばしを開けて舌を観察してもらいたい。舌がよく乾いていれば、死んでから時間がたっていると言ってよいので、その場合はにおいをかいで悪臭がしないか確認しておく。

 料理する前にこの鳥を酢で洗うか、お湯でゆでてにおいを取るように勧める人もいる。だが、このいやなにおいが強すぎるとしても、それは尾腺から出ているので、私が考えるにそれを切り落とすだけで十分だ。尾腺は尾骨の先にあって、俗にスティッツァと呼ばれており、黄色がかってねばねばした体液を貯めている。この体液は水鳥の体のなかにたくさんあって、水鳥はこれを羽に塗って水が通らないようにしている。

 ノガモの内臓を抜いて、肝、心臓、砂肝はとっておく。頭、首の皮を取り除いて、背骨を取り出すために切り開いたら、胸のところで折り曲げる。この鳥を煮込みにするときには、カーヴォロ・ネーロか丸のままのレンズマメを付け合わせにする。いずれにしても、いずれかを選んだら、以下の方法で炒め物を準備する。

 ノガモの重さが一キロほどであれば、ナイフで脂身と赤身のハムを三〇グラムを全部の香味野菜、つまりセロリ、パセリ、ニンジン、タマネギ四分の一個と刻む。材料すべてをいっしょにいくらかの油とシチュー鍋に入れ、刻んだものの上にマガモを載せ、塩とコショウをする。全面に色を付けたら、水を加えて煮込む。

 付け合わせにするカーヴォロ・ネーロかレンズマメのいずれかをゆでてから、すでに述べたソースに入れて煮る。味見をして、必要ならばバターひとかけらを加えて味がさらにおいしくて豊かになるようにし、マガモを食卓に出すときに合わせる。カーヴォロ・ネーロは大きく切って、塩とコショウで味を整える。

Progetto Artusi

Progetto per una traduzione giapponese di "La scienza in cucina e l'arte di mangiar bene" di Pellegrino Artusi

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