317 クネル

(翻訳)ペッレグリーノ・アルトゥージ『調理の知識とおいしく食べる方法』(329)


317 クネル

 名前からわかるように、クネルはフランスで生まれたフランス的な特徴の料理で、これに相当するイタリア語はない。クネルを生み出したのは歯のない主人に仕えていた料理人ではないだろうか。


  乳のみ雌牛 一二〇グラム

  乳のみ雌牛の腎臓の脂身 八〇グラム

  小麦粉 五〇グラム

  バター 三〇グラム

  卵 全卵一個と黄身一個

  牛乳 二デシリットル


 肉の筋と脂身に付いている膜を取り除いて、重さを計ったらナイフと刻み包丁でできるだけ細かく刻んで、すり鉢でつぶしてきめの細かい練りものにする。

 上記の小麦粉、バター、牛乳でバルサメッラをつくり、冷えたら、すりつぶしたもの、卵と合わせ、味付けに塩だけを入れ、全体をよく混ぜる。台の上に小麦粉を薄くまぶして、その上に混ぜたものをのせて軽く小麦粉をまぶしてから棒でのばし、指一本の長さのソーセージのような円筒形のものを一八から二〇個つくる。

 口の広い鍋で水を火にかけて、沸騰したらクネルを入れる。八から一〇分ゆでると、膨らんでくるだろう。そうしたら、小さな穴の開いたお玉ですくい上げて、125番のトマトソースに入れて提供するが、ソースには生か乾燥のキノコ(あらかじめこのソースで煮ておく)と塩水に漬けて種を除いたオリーブの実を加えておく。トマトスースのかわりに肉のソースを使うか、クネルに鳥もつや牛などの内臓の煮汁を合わせてもよい。鶏の白身や魚肉を加えてもよい。この分量で五人分に足りる。

 このとても繊細な味の料理にもっとも適しているのはトマトソースだが、それを使うのであれば、バター三〇グラムと小麦粉スプーン一杯を火にかけて、ヘーゼルナッツの色になってからソースに混ぜ合わせる。

Progetto Artusi

Progetto per una traduzione giapponese di "La scienza in cucina e l'arte di mangiar bene" di Pellegrino Artusi

0コメント

  • 1000 / 1000