470 磯のメバルのグリル

(翻訳)ペッレグリーノ・アルトゥージ『調理の知識とおいしく食べる方法』(484)


470 磯のメバルのグリル

 鮮烈な赤をしたこのとても美しい魚は五〇〇グラムから六〇〇グラムになるが、味も優れており、以下の方法でグリルにして料理するのが一般的だ。味付けに油、塩、コショウを加え、強火で焼き、取り出したら熱いまま、バター刻んだパセリ、レモン果汁の混ぜ物をあらかじめ用意しておき、それを塗りつける。このやり方は、グリルで料理するほかの大きな魚にも使える。古代ローマの人々は魚を肉よりもおいしいと評価していた。とくにありがたがっていた種類は、チョウザメ、スズキ、ヤツメウナギ、磯のメバル、シリアの海で捕れたメルルーサだ。ウツボはそこに加えられないが、専用のいけすで大規模に育てられ、奴隷の肉を食べることもあった。

 ウェディウス・ポッリオは歴史上、その裕福さと残忍さで名高いが、アウグストゥスと会食している最中に、うつぼのいるいけすに不運な奴隷を投げ込むように命じた。この奴隷は運悪くクリスタルのグラスを割ってしまったのだった。アウグストゥスは足下にひれ伏して取りなしを懇願した奴隷を巧みなはかりごとでなんとか救うことに成功した。

 大きな磯のメバルは、上述したように五〇〇グラムから六〇〇グラムの重さに達するだけでなく、四から六リブラに達することもあり、たいへん重宝され、とてつもない高い値で売買されていた。贅沢な習慣と食い道楽でローマ人は味覚を洗練させ、それをとても優雅な食べ物で満足させるように務めたので、ガレレーオというソースを生み出した。このソースにはこの大きな魚の内臓が溶かし込まれており、その肉を漬けるために使われていた。

Progetto Artusi

Progetto per una traduzione giapponese di "La scienza in cucina e l'arte di mangiar bene" di Pellegrino Artusi

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