5 肉のソースでフランス人がスペインのソースとよぶもの

(翻訳)ペッレグリーノ・アルトゥージ『調理の知識とおいしく食べる方法』(12)


5 肉のソースでフランス人がスペインのソースとよぶもの

 この料理法の発明により、ゆで肉、煮込み、おいしいソースがつくれるようになった。これはとてもよい思いつきで、費用も抑えられると思う。というのも、つかえるものはなんでも利用するし、ソースが必要などんな料理でも役立つからだ。

 骨などがついた雄牛の肉を一キロ用意して、そこから四百グラムを取り出して切れにする。残りはいつものようにブイヨン用にするが、一リットル半の水を正確に計ってつかう。

 シチュー鍋の底を塩漬けした豚の脂身の薄切りとハム、そしてバターのかけらいくつかで敷き詰め、その上にみじん切りにしたタマネギを一個、さらにその上に肉の切れを広げる。強火にかけて、肉の下側に焼き色がついたら、さきほどのブイヨンをお玉一杯分入れて、肉をひっくり返して、反対側にも色がつくようにする。それからブイヨンをもう一杯分注いで、そのあとで味付けとして、塩、クローブ一本かつぶしたコショウの実を九個か十個、砂糖をスプーン一杯入れる。ここでブイヨンの残りを注いで、薄く切ったニンジンを一本分、ブーケガルニを追加する。ブーケガルニは、パセリとセロリにそのほかの香草若干でつくればよい。二時間ほど弱火で煮込んだら、肉の切れを取り出し、ソースをこして、余計な脂を除く。このソースは、38番のスープにつかってもいいし、野菜に味をつけることもできる。それ以外にも、ジャガイモの粉とバターでつくった練り物といっしょに水分を飛ばせば、どろっとしたスープにも利用できる。

 ジャガイモの粉はどんな場合でも小麦粉よりソースにとろみをつけるのに向いている。

Progetto Artusi

Progetto per una traduzione giapponese di "La scienza in cucina e l'arte di mangiar bene" di Pellegrino Artusi

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