ミネストラ
(翻訳)ペッレグリーノ・アルトゥージ『調理の知識とおいしく食べる方法』(14)
ミネストラ
かつてミネストラは人間のためのまぐさだと言われていた。現代の医者はミネストラをあまり飲まないようにすすめている。胃が不必要に膨張しないようにすると同時に、肉からの栄養を主要なものとするためだ。肉は線維を頑強にする。他方、小麦はミネストラにも一般的に使われているが、脂肪になって繊維を軟弱にする。こうした説に、私は異議を唱えるつもりはない。とはいえ、私なりの見解を披露することを許してもらえるのであれば、次のように言いたい。ミネストラを少量にしたほうがよいのは、活力があふれている状態でなかったり、体調が万全でなかったりして、なにか特別な対処が必要な場合だ。ミネストラを少量にしたほうがよいのは、肥満気味でそれ以上太りたくない場合だ。ミネストラを軽くて少量にしたほうがよいのは、特別な正餐で、出席者にさまざまな料理が運ばれてきて、それを食べきらなくてはならない場合だ。それ以外のときには、おいしくて十分な量のミネストラを貧弱な正餐しかとれない人に提供することは、絶対に歓迎すべきで、望ましいことのはずだ。こうした判断に突き動かされているので、これから扱うすべてのミネストラについて述べるのは義務であると考える。それらのミネストラは、経験をとおしてじょじょに体得してきたものだ。
427番のエンドウ豆は、知ってのとおり、ブイヨンに米、小さなパスタ、マルファッティーニを入れたミネストラの味をよくして、洗練されたものにする。もっと向いているのは、75番のリゾットをつくろうとするときに、ブイヨンがない場合だ。
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