45 マルファッティーニ

(翻訳)ペッレグリーノ・アルトゥージ『調理の知識とおいしく食べる方法』(53)


45 マルファッティーニ

 卵入りの自家製パスタをほぼ毎日使うある地域では、そのパスタづくりに熟練していないお手伝いの女性はいない。そうでなくとも、このパスタは非常に簡単につくれる。それゆえ、お手伝いの女性のためにではなく、その地方の住民たちのために私はこうした自家製パスタについて記しておく。こう言ってもよいだろうが、この地方ではパン入りスープと米や既製品のパスタを使ったもの以外のブイヨンのミネストラは知られていない。

 もっとも単純なマルファッティーニは小麦粉でつくる。小麦粉を卵で溶き、台の上で手でこねて、固いパンのようなものをつくる。それを指半分の大きさに切り分け、空気にさらして乾燥させる。さらにみじん切り包丁で米粒半分くらいの細かいかけらになるまで小さくし、ふるいにかけて同じ大きさにそろえる。あるいは丸ごとのパンから削ってもよい。ただし消化を悪くしたくなければ、かけらがスズメのくちばし大でも気にしない人と同じことをしてはいけない。むしろこうした理由から、小麦粉からではなく、普通のパン粉か少量のパルミジャーノと香辛料で引き立てたパン粉を使うこともできる。いずれにせよ、エンドウ豆の季節にはお好みで427番のレシピのエンドウ豆を加えることもできるし、細かく刻んだスイスチャードを加えることもできる。どちから片方でもよいが、両方加えてもよい。この野菜について私は気がついたことがあった。フィレンツェでは料理に多くの香草を使うのに、イノンドについてはよく知られておらず、スイスチャードと混同されている。スイスチャードは、他の地方でも同様だが、とても重宝されている。実のところ、イノンドについてはフィレンツェに紹介しようとなんども試みたのだが、うまくいかなかった。おそらく、スイスチャードは束で売っているのに、ロマーニャでは束ねずにイノンドと混ぜて売り買いするためだろう。

Progetto Artusi

Progetto per una traduzione giapponese di "La scienza in cucina e l'arte di mangiar bene" di Pellegrino Artusi

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