57 インゲン豆のスープ
(翻訳)ペッレグリーノ・アルトゥージ『調理の知識とおいしく食べる方法』(65)
57 インゲン豆のスープ
正当なことだが、インゲン豆は貧乏人のための肉と言われる。事実、工場労働者は、ポケットをまさぐった結果、目に落胆の色を浮かべながら、十分な量の肉を買って家族においしいミネストラをつくってやれないとわかった場合、インゲン豆が健康によく、栄養豊富で、お金もかからない食べものだという判断を下す。それだけではない。インゲン豆は腹持ちがよく、しばらくの間、空腹感を抑えてくれる。ただし、世の中の物事に多くあるように、その代償もある。その点については、もうお分かりだろう。部分的にもその問題を避けるためには、皮が薄いインゲン豆を選ぶのがよいが、あるいはそれを受け入れるしかない。目の形をしているインゲン豆はこの問題がほかよりも少ない。
インゲン豆のスープの味をさらに好ましくておいしいものにするには、四人から五人分に十分な分量があるはずなので、以下の量で炒めものつくる。タマネギ四分の一、ニンニク一かけら、パセリ一つまみ、大きめの白いセロリ一片。みじん切り包丁でこれらの香草を細かく刻み、たっぷりの油と火にかけ、コショウを気前よく振る。材料に色が付いたら、インゲン豆のゆで汁をお玉二杯分入れ、トマトのソースかピューレを少量加えて沸騰状態までもっていったら、インゲン豆の鍋に移す。
スープに野菜が少し欲しければ、カーヴォロ・ネーロを加えてもよい。その場合、あらかじめ湯がいてから、さきほどの炒めものでつくった水分の中で若干ゆでておく。ここまできたら、パンを浸すだけだ。パンはあらかじめ、指一本分の厚さのものをダイス状に切ってから焼いて準備しておく。
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