65 ボラのブイヨンを使ったスープ

(翻訳)ペッレグリーノ・アルトゥージ『調理の知識とおいしく食べる方法』(73)


65 ボラのブイヨンを使ったスープ

 よいブイヨンができる魚のうちの一つがボラだ。ボラはアドリア海では八月にきれいに脂がのってきて、重さが二キロ以上になる。ボラがなければ、ニベ、スズキ、ヒキガエルを使うこともできる。そうした肉ではボラのような濃厚なブイヨンはできないが、かわりに繊細さと消化のよさでまさる。

 スープが七人から八人分ならば、ボラ、つまりバルディガーラ(海辺の地方にはこのように呼ぶところがある)を一匹、最低でも重さが一キロあるものを手に入れ、うろこをはがして内臓を抜いたら、適量のお湯でゆでる。

 タマネギ、ニンニク、パセリ、ニンジン、セロリをふんだんに使ってみじん切りをつくり、油、塩、コショウと火にかける。色がついたら、トマトソースを入れ、魚のブイヨンを加えて煮る。

 それからこのブイヨンをこして、それを少量使って少量のセロリ、ニンジン、乾燥キノコを煮る。これはざく切りにして、香りづけにする。

 スープ用のパンは焼いてからダイス状に切り分け、スープ皿に入れて、その上から熱いブイヨンをさきほどの香りづけの野菜といっしょに注ぎ、パルミジャーノを別に添えて食卓に出す。

 ボラ科には筋肉質で強固な胃壁があり、それは鳥の砂嚢に似ている。アンコウ、つまりロフス・ペスカトリウスはアンコウ科に属し、頭についている動く銀色のひれで小さな魚を引き寄せて食べる。アンコウは地域によっては俗にグラッターレと呼ばれるが、スープに入れる良質なブイヨンがとれる。

Progetto Artusi

Progetto per una traduzione giapponese di "La scienza in cucina e l'arte di mangiar bene" di Pellegrino Artusi

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