186 アーティチョークの揚げ物

(翻訳)ペッレグリーノ・アルトゥージ『調理の知識とおいしく食べる方法』(197)


186 アーティチョークの揚げ物

 これは簡単な揚げ物だ。それにもかかわらず、信じがたいことに思えるが、だれもがつくり方を知っているわけではない。いくつかの地方では、アーティチョークをゆでてから揚げるが、これはよくない。地方によっては衣をつけるが、これは不要なだけでなく本来の味をそこなってしまう。ここではトスカーナのやり方を取り上げるが、これがもっともすぐれている。トスカーナでは豆と野菜をよく使って、使い過ぎともいえるが、その料理の仕方はどこよりもすぐれている。

 仮にアーティチョークを二つ用意するとして、固い葉を落として、先を切り取り、根元を取り除いてから、二つに切り分ける。半分にしたアーティチョークを房のように、もっと正確には薄く切って一個から八から一〇枚にする。これはアーティチョークがあまり大きくない場合でも同じだ。アーティチョークを切るごとに冷水に浸けて、十分に冷たくなったら取り出して、水分をざっと切るか、単純に絞るかして、すぐに小麦粉の中に入れて、よく小麦粉がくっつくようにする。

 卵一個の白身を軽く泡立てる。一個だけでアーティチョーク二本に十分だ。それから黄身を混ぜて、塩をする。アーティチョークをふるいに入れて、余分な小麦粉を落とし、卵の中に入れてかき混ぜ、少しだけ浸けておいて、卵をしみこませる。ひとつずつ油を入れて熱したフライパンに入れ、きれいなきつね色になったら、レモンの房を添えて食卓に出す。誰もが知っているとおり、甘くない揚げ物にレモンの果汁をかけると絶対にさわやかさが出るし、酒が進むようになる。

 アーティチョークが白いままのほうがよければ、油で揚げて、水に浸けるときに半分にしたレモンを絞るのがよい。

Progetto Artusi

Progetto per una traduzione giapponese di "La scienza in cucina e l'arte di mangiar bene" di Pellegrino Artusi

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