209 トマト入り鶏の揚げ物

(翻訳)ペッレグリーノ・アルトゥージ『調理の知識とおいしく食べる方法』(220)


209 トマト入り鶏の揚げ物

 人々が揚げ物に使う油は、その土地で産する最上のものだ。トスカーナではオリーブ油、ロンバルディアではバター、エミリアではラードだ。エミリアのラードは優れた方法でつくられ、言い換えれば真っ白で、固く、ローリエの香りが嗅覚をさわやかにする。そのために前代未聞の大虐殺がおこなわれており、その地方では若い雄鶏がトマトといっしょにラードで揚げられている。

 揚げ物に使う油としては、私はラードが好みだ。それは、油よりも味がしっかりしていて豊かだからだ。鶏は小さく切り、そのまま必要な量のラードとフライパンに入れ、塩とコショウで味を付ける。火が通ったら、余分な油を取り除いて、ぶつ切りにしたトマトをそこに入れる。トマトはあらかじめ種をとっておく。かき混ぜ続けてトマトの形がほとんど崩れたら、食卓に出す。

Progetto Artusi

Progetto per una traduzione giapponese di "La scienza in cucina e l'arte di mangiar bene" di Pellegrino Artusi

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