277 イギリス風のハトもしくはピッチョン・パイオ

(翻訳)ペッレグリーノ・アルトゥージ『調理の知識とおいしく食べる方法』(289)


277 イギリス風のハトもしくはピッチョン・パイオ

 ここできっぱりと知らせておきたいが、私の料理では名前は問題にしないし、もったいぶった題名を私は重視しない。イギリス人は次のように言うかもしれない。ピッチョン・パイオという奇妙な名前でも呼ばれるこの料理は自分の国のやり方に従って料理されていない、と。そんなことは私にはまったく問題ではない。私にはおいしいと評価されるだけで十分で、例外はない。次のものを準備してもらいたい。


  若いハトだが太ったもの 一羽

  乳のみ雌牛の赤身一〇〇グラムもしくは鶏むね肉一枚

  脂身と赤身のハムの薄切り 四〇グラム

  塩漬けした舌 三〇グラム

  バター 四〇グラム

  油を除いた良質のブイヨン コップ半分

  ゆで卵 一個


 ハトを関節で小さく切り分け、頭と足を捨てる。乳のみ雌牛か鶏むね肉を平たく切ってナイフの背で叩く。ハムと舌を指の長さに細長く切る。卵を房状に八つに切る。

 金属製か磁気製で耐火性の楕円形の皿を用意して、段々と層になるようにして、最初にハトと牛肉の半分、次にハムと舌の半分を敷き詰めて、バターの半分を小片にしてあちこちに散らし、それから卵の半分、つまり四つを並べる。少量の塩、コショウ、香草を加えたら、残りで同じことを繰り返して全部の材料で入れ物が埋まるようにする。最後に上記のブイヨンを冷えた状態で加えて、皿の縁のあたりまで埋まれば、大部分が火を入れた後も残るだろう。それからこれを覆うための練り物を次の分量でつくる。


  小麦粉 一五〇グラム

  バター 五〇グラム

  ワインの蒸留酒 スプーン一杯

  砂糖 スプーン一杯

  レモンの汁 一房分

  卵の黄身 一個

  塩 適量


 小麦粉を上記の材料と混ぜて、足りなければぬるま湯を追加して十分に柔らかい練り物をつくる。台にたたきつけてよくこね、少し休ませてから四回か五回折りたたんで、最後に溝のあるのし棒でスクード貨の厚さの生地になるまで延ばす。それで皿を覆って、可能であれば同じ練り物を切って皿に飾り付け、そこに卵の黄身を塗る。このパイ(こう呼んでよいだろう)を田舎風オーブンで焼いて、熱いまま提供する。

 私の見立てでは、この料理は次のようにするのがさらによい方法で、もっとイタリア的な特徴と味にできる。最初にハトに半分火を入れる。ほかの肉にはバターを合わせ、塩、コショウ、香草で味を整える。それから皿の上に上記のように載せるが、煮汁とブイヨンも入れる。味付けを増やしたければ、鶏や牛、羊の内臓とトリュフを合わせてもよい。

Progetto Artusi

Progetto per una traduzione giapponese di "La scienza in cucina e l'arte di mangiar bene" di Pellegrino Artusi

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