285 甘酸っぱいイノシシ
(翻訳)ペッレグリーノ・アルトゥージ『調理の知識とおいしく食べる方法』(297)
285 甘酸っぱいイノシシ
私の見立てでは、甘酸っぱくするためのイノシシは皮の下に指一本分の脂を蓄えていなければならない。この野生の豚の脂は料理してもしぶとく残るが、嫌な感じはしないだけでなく、美味しいすじ肉のような味がするからだ。
肉のかたまりが一キロほどと想定すると、材料は以下の分量になる。
タマネギ半分、大きなニンジン半分、手のひらほどの長さのセロリの茎二本、パセリ少量、脂身と赤身のハム三〇グラムを刻む。刻み包丁で細かく刻んだら、シチュー鍋に油、塩、コショウを入れてからイノシシ肉を載せ、相応の時間火を入れる。肉の全面に色が付いたら、大部分の油を取り出してからその上から小麦粉少量をまぶし、少しずつお湯を入れて、煮込む。その間に次の材料でコップに甘酸っぱい調味料をつくって、シチュー鍋に入れる。ただし、先にソースをこしておく。
干しブドウ 四〇グラム
チョコレート 三〇グラム
松の実 三〇グラム
砂糖漬けのかけら 二〇グラム
砂糖 五〇グラム
酢 適量
とはいえ、酢は少量にしておく。あとで追加できるときがあるからだ。食卓に持っていく前にもう一度煮て、調味料がしみこむようにする。むしろ、甘酸っぱい調味料は前日につくっておいたほうがよいと言わなければならないだろう。もっと素朴な調味料が好みであれば、砂糖と酢だけでつくる。
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