297 当世風の牛肉

(翻訳)ペッレグリーノ・アルトゥージ『調理の知識とおいしく食べる方法』(309)


297 当世風の牛肉

 この料理は294番のものと少しだけ違ったやり方をする。

 一キロを超える大きな動物のもも肉かランプ肉を用意して、質の良い塩漬けした豚の脂身から取った指一本分ほどの小片をあちこちに差し込む。塩漬けの豚の脂身は塩とコショウで覆ってつくる。肉のかたまりをひもで縛って、形がよくなるようにして、十分に塩をしてから、バター五〇グラムとシチュー鍋に入れて焼く。それから、次の材料を加える。乳のみ雌牛のももの肉半分か大きな雌牛のもも肉を一片、大きなタマネギ丸ごと一個、ニンジン丸ごと二本か三本、パセリ、セロリ、バジリコなどのような香味野菜を縛った束、塩漬けした豚の脂身の皮数枚、コップになみなみと注いだ水一杯分、もしくはできればその代わりに油を除いたブイヨンをコップ一杯、最後に白ワインをコップに一杯か蒸留酒をスプーンに二杯。シチュー鍋にきっちりと蓋をして火にかけて弱火で煮込んで、肉に火が通るようにする。だが、最初に火が通るのはニンジンなので、火が通ったら、それを形がそのまま残るように取り出す。香味野菜の束を取り除き、それからソースを濾して、必要であれば油を取り除く。提供するのはゆですぎないようにしたもも肉だけで、その皿に丸く薄切りにしたニンジンを添える。うまく行っていれば、煮込みは繊細で軽く感じられるだろう。

 人によってはタマネギにクローブを差し込むが、その香りは胃が強い人にしか勧められない。ニンジンよりもよいと私が見なす付け合わせは、さやをむいたインゲン豆を牛肉のソースでもう一度煮たものだ。

Progetto Artusi

Progetto per una traduzione giapponese di "La scienza in cucina e l'arte di mangiar bene" di Pellegrino Artusi

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