362 見た目のよい詰め物をした舌のスカロッピーナ

(翻訳)ペッレグリーノ・アルトゥージ『調理の知識とおいしく食べる方法』(364)


362 見た目のよい詰め物をした舌のスカロッピーナ

 冷製料理のうちでも、これは最良のもののひとつで、見た目がよい。行きつけの食料品店で塩漬けした舌のもっとも太い部分で薄切りを一〇枚つくってもらう。その重さは全部で一三〇グラムほどになる。さらに脂身と赤身の加熱ハム一〇〇グラムも薄切りにしてもらう。舌のまわりをぐるっと切って、薄切りをきれいな形にして、切り取ったものは別にしておく。それから、ハムから舌と同じ大きさの薄切りを一〇枚切り出す。舌とハムの切れ端をバター七〇グラム、香りのよい白トリュフ二〇グラムとすり鉢に入れる。これをいっしょにつぶして、軟膏のようにきめ細かくして、舌の薄切りの片面だけに塗り付けるのに使い、その上からハムの薄切りをくっつける。

 さて、このように一〇個にまとめたら、好きなだけ時間をかけてゼラチン状に入れる。これについては3番のレシピで説明したが、その分量で十分だ。だが、それで上記のものの見た目をよくするには二つの方法がある。一つ目の方法では、大きな皿かオーブン皿を用意して、そこに溶けたゼラチンの薄い層をつくる。それが固まってきたら、その上にまとめたものを置いて、それを別の溶けたゼラチンの層で覆う。その後、固まったら、ひとつずつ取り出す。

 二つ目の方法では、型の中にいくらか間隔を開けて縦に置く。その場合、あらかじめ底に溶かしたゼラチンで薄い層をつくっておいてから、すべてを同じゼラチンで覆ってから型から出して、全体をひとつのまとまりにしたまま食卓に出す。こうすると、見栄えはさらによくなる。

 品数が多い夕食ではこの分量で一〇人分にも十分だと思うが、念のために八人より多くの人には提供しないほうがよい。

Progetto Artusi

Progetto per una traduzione giapponese di "La scienza in cucina e l'arte di mangiar bene" di Pellegrino Artusi

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