393 食用キノコ
(翻訳)ペッレグリーノ・アルトゥージ『調理の知識とおいしく食べる方法』(406)
393 食用キノコ
キノコは含有する窒素のおかげで、野菜の中でももっとも栄養豊富なものに数えられる。キノコは独特の香りがあるのでとても喜ばれる材料だが、たいへん残念なことにその中には毒のある種類も多い。それを毒のないものと見分けられるのは、実地を積んできた熟練の目利きだけだ。ある程度の保証であれば、長年の経験で危険がないと判断された地区でも得られる。たとえば、フィレンツェではキノコを大量に消費するが、これは山の周辺の森からもたらされる。気候が雨がちであれば、六月にはあらわれ始める。だが、最盛期は九月だ。本当に賞賛すべきことだが、この都市ではこの植物が原因で嘆かわしい不幸を経験したことがないと言っておかなければならない。その理由はおそらくそこで消費されるのが青銅色のポルチーニとタマゴダケだけだからだろう。それが無毒であるという信頼は厚く、その点に関してはまったく注意が払われていない。酢を入れた水に入れて沸騰させるのを勧める人がいるが、それを含めてだ。このような用心の方法はおいしさを損なってしまいかねないものでもある。
上記の二種類について、ポルチーニは揚げるか煮るかするのに向いている。タマゴダケはトリッパにするか直火で焼くのがよい。
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