450 アスパラガス
(翻訳)ペッレグリーノ・アルトゥージ『調理の知識とおいしく食べる方法』(463)
450 アスパラガス
アスパラガスの見た目をよくするには、火を入れる前にナイフで白い部分をこそげ取って足の先をそろえておく。それからそれほど太くならないように束にしてひもで縛って、緑色が損なわれないように水に塩を加え、完全に沸騰してから入れ、風を起こしてすぐに再度沸騰するようにする。アスパラガスの先が曲がってきたら、ちょうどよいゆで加減だ。だが、指である程度押すと潰れるかどうか確かめたほうがよい。ゆですぎよりもゆでたりないほうがよいからだ。アスパラガスを取り出したら、冷水に入れるが、すぐに出してあたたかいまま提供する。それが望ましい。この野菜が貴重なのは、利尿や消化を促進する性質があるだけでなく、売られている値段が高いためでもある。適度にゆでると、さまざまな方法で料理できる。だが、もっとも簡単ですぐれているのは、一般的にされているように、上質な油と酢かレモン果汁で味付けする方法だ。とはいえ、変化を付けるためには、半ゆでにしてからは、ほかにも料理する方法がある。アスパラガスをまるごと、バターで緑色の部分を軽く焼いて、塩、コショウ、パルミジャーノごく少量で味付けして、赤い色が付いたらバターを上から加えて、取り出す。もしくは、白い面から緑色の部分を分けて、耐熱容器を用意して、次のように入れる。底におろしたパルミジャーノを振り、その上にアスパラガスの先を一つずつ横に並べ、塩、コショウ、パルミジャーノ、バターのかけら数個で味付けする。アスパラガスの層をもう一つつくり、同じように味付けして、アスパラガスがなくなるまでそれを繰り返す。ただし、味付けは控えめにして、いやな感じにならないにようにする。アスパラガスの層は交差して密な格子のようになるようにして、蓋を載せて上から火を当てて、調味料が溶けるようにして、熱いまま提供する。肉のソースがあれば、半ゆでにしてからソースで煮込み、バター少量を加え、パルミジャーノを軽く散らす。揚げ物の盛り合わせには、アスパラガスの緑色の先を使うことも出来る。この場合、156番のパステッラで覆う。ほかのさまざまな調理方法は料理の本で示されている。だが、かなりの場合、食通にはあれやこれやの方法は評価されていない。それでも、私は読者諸氏に124番のソースをすすめておく。あたたかいうちにソースを別にして食卓に出せば気に入ってもらえるだろう。このソースでは、アスパラガスだけでなく四つに切ってゆでたアーティチョークの味付けもできる。
アスパラガスで出されるよくないにおいは、便器にテルペンチン数滴を垂らせば、スミレの香りに変わる。
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