586 ナポリ風お菓子

(翻訳)ペッレグリーノ・アルトゥージ『調理の知識とおいしく食べる方法』(587)


586 ナポリ風お菓子

 これは見た目がよく、優しい味だ。


  砂糖 一二〇グラム

  ハンガリー小麦粉 一二〇グラム

  甘いアーモンド 一〇〇グラム

  卵 四個


 アーモンドは皮をむいて、太陽か火に当てて乾かし、大きいものから三分の一を選んで、それを二つに分けて、二枚の自然のままの葉に入れる。残りは細長く切る。卵と砂糖を銅製か真鍮のボールで火の上で二〇度にして泡立て、泡だて器で一五分以上混ぜる。混ぜものを火からおろし、そこに小麦粉を軽く混ぜながら入れ、丸いか楕円の表面が滑らかな型に入れ、粉砂糖スプーン一杯と小麦粉スプーン一杯を混ぜたものを振りかける。お菓子が焼けたときに指四本の高さになる大きさの型が望ましい。これをオーブンか田舎風オーブンで低めの温度で焼き、少したって十分に冷えたら、周りを厚さ一センチで薄く切っていく。次の材料でクリームをつくる。


  卵の黄身 二個

  牛乳 三デシリットル

  砂糖 六〇グラム

  小麦粉 一五グラム

  バター 一〇グラム

  バニラ香料


 これを温めてお菓子の片面だけに塗り付け、再び組み立てる。つまり、一枚ずつすべてを重ねていく。クリームをよりよいものにするには、最初にバターと小麦粉を火にかけて熱を通し、色がつかないようにする。それから温かくなったら、卵の黄身、牛乳、砂糖を入れて火に戻す。次にお菓子の外側全体に糖衣を塗り付ける、つまり皮を付ける必要がある。それをするためには、小さなシチュー鍋に一デシリットルの水を入れてから二三〇グラムの砂糖を入れて、指で液体をつまんだときに糸は引かないが、少しくっつくが、くらいまで加熱する。ちょうどよい具合のもうひとつの目印は、湯気を立てなくなって大きな泡ができるようになることだ。そうなったら火からおろし、冷え始めたらレモン四分の一個を上から絞り、お玉でよくかき混ぜて雪のように白くなるようにする。だが手の感触で固くなっているようならば、水をほんの少し入れ、固めのクリームのように滑らかになるようにする。糖衣がこのようにできたら、細長く切ったアーモンドを加えて混ぜ、お菓子に塗る。二つに分けたアーモンドの残りは立つように差し込んで表面を覆う。

 クリームの代わりに果物のジャムをつかうこともできる。だがクリームを使えばとてもおいしいお菓子になるので、試してみることを勧める。

Progetto Artusi

Progetto per una traduzione giapponese di "La scienza in cucina e l'arte di mangiar bene" di Pellegrino Artusi

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