624 ヒヨコマメのトルテッリ
(翻訳)ペッレグリーノ・アルトゥージ『調理の知識とおいしく食べる方法』(625)
624 ヒヨコマメのトルテッリ
これは四旬節につくる習慣のある料理だ。
乾燥させたヒヨコマメ(乾燥と言っておくのは、トスカーナではヒダラを漬けた水で戻して売っているからだ)
夜、冷水にそれを漬けて、朝になったらそれを乾燥させたクリ七個か八個と一緒にし、陶器製の鍋に同じように冷水と入れて火にかける。鍋には小さくまとまった炭酸ナトリウム三グラムも入れる。これを人々は秘訣といっており、ヒヨコマメをゆでるのが簡単になる。炭酸ナトリウムのかわりに灰汁も使える。前日の夜にヒヨコマメをどんなものでもよいので容器に入れて、口を布で覆うが、そこに灰を小さなスコップ一杯入れておく。その布を通して熱湯を入れ、ヒヨコマメが埋まるようにし、翌朝、灰汁を落とし、火にかける前に冷水でよく洗う。十分に火が通ったら、水分を落として取り出し、熱々のままクリといっしょに裏ごしする。秘訣、つまり灰汁でも水質のせいで固いままならば、すり鉢で潰す。裏ごししたら、塩ほんの少し、混ぜ物を十分に柔らかくできる量のブドウ液、サヴィニャーノのモスタルダの瓶半分もしくは788番で説明するモスタルダ、小さく切った砂糖漬け果物四〇グラム、ブドウ液で十分に甘くならなければ砂糖少量、粉のシナモンスプーン二杯で味を付けてさわやかにする。
ロバを急かそうとする馬の欠点を埋め合わせるものを探そう。この場合、ブドウ液とモスタル(私の好みにもっと合うのはロマーニャのサヴィニャーノのものだ)がなければ、一つめを砂糖八〇グラムで、二つめを同じヒヨコマメをゆでたお湯で溶いた粉カラシ七グラムで代用する。ここで閉じるための生地に移ろう。これに関しては、595番のチェンチのもものを使える。そのレシピの半分の分量か、以下のものを使う。
小麦粉 二七〇グラム
バター 二〇グラム
砂糖 一五グラム
卵 一個
白ワインもしくはマルサーラ スプーン約三杯
塩 ほんの少し
スクード貨の厚さの半分ほどの生地をつくり、614番の縁取りのある丸い型で切り抜く。円の中に詰め物をたくさん入れ、端を合わせると、四分の一の月の形のトルテッリができり。ラードか油で揚げ、粗熱が取れたら、粉砂糖を振りかける。
ヒヨコマメのゆで汁は、スープをつくるか、トスカーナでしているように、買ってきた帯状のパスタをゆでるのに使う。このトルテッリはとてもおいしいので、ヒヨコマメだとは誰もわからないだろう。
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