650 ドルチェ・フィレンツェ

(翻訳)ペッレグリーノ・アルトゥージ『調理の知識とおいしく食べる方法』(652)


650 ドルチェ・フィレンツェ

 いにしえの美しい花の都で見つけたが、誰も名前をつけようとはしていなかったようなので、ドルチェ・フィレンツェと思い切って呼んでおこう。その控えめな特徴のために名高い都市にとってそれほど名誉とならないならば、このお菓子はこのように言って弁明できる。私を家庭向けの一品として受け入れてください。そうすれば、少ない出費で口の中を甘くしてあげられます。


  砂糖 一〇〇グラム

  最高級のパン 六〇グラム

  干しブドウ 四〇グラム

  卵 三個

  バター 適量

  牛乳 半リットル

  香り付け用レモンの皮


 パンは薄く切って軽くあぶり、熱いまま両面にバターを塗ってくぼんだ形で食卓に出せる品のよい容器に入れる。パンの切れの上にブドウと削ったレモンの皮を散らす。卵を鍋の中に入れて砂糖とよく溶き、それから牛乳を混ぜ、この混ざったものを容器に入れた材料の上からかけるが、その材料には触れないようにする。火を入れるには、器をとろ火にした火のかまどに載せ、田舎風オーブンの蓋をかぶせて上火を当て、熱いまま提供する。

 五人分に十分だろう。

Progetto Artusi

Progetto per una traduzione giapponese di "La scienza in cucina e l'arte di mangiar bene" di Pellegrino Artusi

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