38 肉のソースを使ったスープ

(翻訳)ペッレグリーノ・アルトゥージ『調理の知識とおいしく食べる方法』(46)


38 肉のソースを使ったスープ

 料理人のなかには、もったいぶって、好意的とはいえない隣人が使っているわかりにくい言葉を使いたがる者がいる。そこで使われる名称はたいそうなものだが、そこにはなんの意味も見いだせない。そうした者たちは、これから私が説明しようとするスープをミトネ・スープと呼ぶべきだというだろう。そうした輩や外国の風習に媚びている連中の趣味に合わせるつもりならば、私はこの本をエキゾチックで小難しい単語で一杯にしただろう。そうしたら、さらに高い賞賛を受けたかもしれない! しかしながら、私は自分たちの誇りのために、我々の美しく調和のとれたこの土地の言葉で語ろうと努めているので、このスープを私は単純で普通の名前で呼ぶことにする。

 このスープがうまくできるかどうかは、おいしいソース(5番)をつくれるかどうかにかかっている。それは誰もができることではない。

 四人分には、ソース用の去勢雄牛の肉五百グラムと鶏の首いくつか、そして台所に残っていれば、くず肉いくらかで十分だと思う。ソース以外にも、このスープには十分な量の野菜のほか、季節に応じてセロリ、ニンジン、各種のキャベツ、スイバ、ズッキーニ、エンドウ豆など、そしてジャガイモが必要だ。ジャガイモとズッキーニはざく切りにし、それ以外は細長く切る。それら全部をゆでてからバターで炒め、上述のソースを注ぐ。パンの切れを指半分の厚さに切っておき、焼いてからダイス状に切る。浅鍋もしくはもっとよいのは似たような形の容器で見た目が良いものを用意する。そのまま食卓にもっていく必要があるからだ。そこに次のような方法でスープを入れる。パンの層と野菜の層をつくり、その上にパルミジャーノをふりかけ、これを繰り返す。最後に上からソースを注ぎ、それに触れないように皿とナプキンでふたをして、火の近くの熱い場所に半時間置いてから提供する。

 注意してもらいたいが、このスープはほとんど水気がないようにしなければならない。そのため、ソースを少し別に残しておいて、食卓に提供するときに水分が多すぎるようであれば、追加するとよい。

Progetto Artusi

Progetto per una traduzione giapponese di "La scienza in cucina e l'arte di mangiar bene" di Pellegrino Artusi

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