89 じゃがいものニョッキ
(翻訳)ペッレグリーノ・アルトゥージ『調理の知識とおいしく食べる方法』(97)
89 じゃがいものニョッキ
ニョッキの種類は多い。読者諸氏にはすでに14番でブイヨンに入れたニョッキを説明した。ここではミネストラ用のジャガイモとトウモロコシ粉のニョッキ、その先では主菜の前か付け合わせにするセモリーナ粉を使ったもの、ローマ風のもの、そしてデザートにする牛乳を使ったものについて紹介しよう。
大きな黄色のじゃがいも 四〇〇グラム
小麦粉 一五〇グラム
入れる小麦の割合について記しておくが、そうすれば私の知るあるご婦人に起こったようなことにはならいない。このご婦人はお玉を鍋にいれてかき回そうとしたが、そこにはもはやなにも見つからなかった。ニョッキは消えてしまったのだ。「まあ、どこにいってしまったのかしら?」興味津々で別のご婦人が私に尋ねた。笑いながら私は事実を語ったが、ご婦人はたぶん妖精が持ち去ってしまったとでも思っていたのだろう。
「そんな顔をしてはいけませんよ」私は答えた「おかしな出来事かもしれないが、当然のことなのです。そのニョッキには小麦を少ししか入れていなったので、お湯に入れたらすぐに溶けてしまったのです」
じゃがいもをお湯でゆでるか、もっとよいのは蒸して、熱々のまま皮をむいて裏ごしする。それから先述の小麦粉を入れて手でその混ぜ物をよくこねて、直径の小さい円筒形にして、三センチほどの長さの大きさで切る。軽く小麦粉をまぶし、一個ずつおろし器の裏側に親指で押し付けてへこみを入れる。塩を入れたお湯にそれを入れて一〇分経ったら水を切り、チーズ、バター、トマトソースでお好みの味にする。
もっと繊細にしたければ、牛乳でゆでて、そのままその牛乳と提供する。牛乳の質が良ければ、塩のほかにはなにもいらないか、パルミジャーノ少しが必要なだけだ。
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