145 オムレツ各種

(翻訳)ペッレグリーノ・アルトゥージ『調理の知識とおいしく食べる方法』(156)


145 オムレツ各種

 オムレツがつくれない人などいるだろうか? 世界に人生で一度もなんらかのオムレツをつくったことがない人などいるだろうか? それでもいくつかのオムレツについていくらか述べておくのは無駄ではないだろう。

 オムレツにする卵を混ぜすぎのはよくない。深皿に入れフォークで溶き、白身が溶けて黄身と混ざったら、混ぜるのをやめる。オムレツをつくるときには、簡単なものも、複雑なものもある。簡単なものには、たとえば、フィレンツェ風の「薄い」ものがある。これを全部フォークに巻き付けて大きな一口にしたときには、別の種類になるともいえる。だがトスカーナの良質な油を使うとたいへんおいしくできるし、片側しか焼かないのもおいしくできる理由だ。片面だけ焼くというやり方はほぼいつでも好ましい。下の面が固まったら、フライパンを手で支えた皿の上でひっくり返して、食卓に出す。

 さまざまな野菜を単純にゆでるか、そこにバターの香りを加えたものはオムレツの付け合わせによい。同様に少量のパルミジャーノだけ、あるいはそれをパセリと混ぜたものも出してもよい。消化不良を起こさないなら、タマネギを使ったオムレツは味がよい。もっと繊細なものを二つあげると、私の好みでは、アスパラガスとズッキーニがよい。アスパラガスの場合は、ゆでるか緑色の部分に少量のバターで香りを付けたものを使い、少量のパルミジャーノを卵に混ぜる。ズッキーニを使うならば、小さくて長いものを用意して、丸く薄切りにして適度に塩味を付けて、お湯を捨てたら小麦粉を振ってラードか油で揚げ、よく火が通ってから卵を注ぎ入れる。427番のエンドウ豆を卵に混ぜても、とてもおいしいオムレツができる。

 ジャム風味のオムレツをつくることもできる。この場合、好みの果物を煮詰めて水分を飛ばし、出来立てのオムレツの上に塗る。これはおいしいが、私の好みではない。読者諸氏に言っておくと、食堂で甘い料理の中にこうしたオムレツがあるのを見つけると、この料理に嫌な気持ちを抱いてしまう。

Progetto Artusi

Progetto per una traduzione giapponese di "La scienza in cucina e l'arte di mangiar bene" di Pellegrino Artusi

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